高度化するデジタル基盤
通信、クラウド、データセンター、AIなどの進展に対応し、時刻同期の産業応用と運用を議論します。
Purpose
デジタル社会の高度化に伴い、正確で信頼性の高い「時刻同期」は、通信、金融、放送、データセンター、クラウド、AI、電力、交通、製造、セキュリティなど、さまざまな社会インフラを支える重要な基盤技術となっています。
TimeSyncJapanは、産官学の関係者が一堂に会し、時刻同期の社会実装や産業応用について実践的な観点から議論を深める場です。産官学の連携を通じて、将来にわたり持続可能で強靱な社会インフラとしての時刻同期基盤の発展に貢献することを目指します。
Background & Mission
5G/6Gネットワーク、分散データセンター、AI処理基盤の進展により、時刻同期にはこれまで以上の高精度と堅牢性が求められています。同時に、GNSSへの依存に起因するリスクへの備えも重要性を増しています。
通信、クラウド、データセンター、AIなどの進展に対応し、時刻同期の産業応用と運用を議論します。
GNSSへの依存、ジャミング、スプーフィング、地政学的リスクを踏まえ、強靱なタイミング基盤を考えます。
研究と産業、政策と実装、国内議論と国際動向を有機的につなぐ架け橋を目指します。
Event Overview
東京メトロ銀座線・東西線「日本橋駅」B6出口直結
都営地下鉄浅草線「日本橋駅」B6出口直結
東京メトロ半蔵門線・銀座線「三越前駅」B6出口から徒歩3分
「東京駅」日本橋口から徒歩6分
八重洲北口から徒歩10分
Program
DAY 1
DAY 2
なぜ今、時刻同期を共に考える場が必要なのか。世界の時刻同期をめぐる動向を紹介しながら、TimeSyncJapan設立の背景と、分野を超えた連携で目指す時刻基盤の未来をお話しします。
次世代通信や車載システムの普及に伴い、衛星測位に依存せず移動体等で高精度な時刻同期を実現する小型原子時計のニーズが高まっている。本研究では、量子干渉効果(CPT共鳴)を利用した高安定・低消費電力な小型原子時計モジュール「HS-ULPAC」の開発に取り組んだ。構成要素を最適化し統合したプロトタイプにより、CPT方式として世界最高水準の短期周波数安定性を実証した。本発表ではモジュールを構成する要素技術に加え、実車走行による環境耐性の検証結果等を紹介する。
日本が保有する準天頂衛星システム「みちびき」は、昨年12月の5号機打上げ失敗、本年8月の7号機打上げ成功を経て、来年予定している6機運用のサービスインに向けて準備が進められている。 本講演では、「みちびき」が有する機能に加え、7号機の準備状況および6機運用に向けたシステム全体最適化のための施策について紹介する。さらに、将来的には抗たん性を向上させたシステムとして11機体制の構築を計画しており、その政策動向についても取り上げる。あわせて、時刻同期に関して現在開発を進めている、抗たん性を備えた時刻サーバについても紹介する。
GNSSは、通信、放送、金融、電力など多くの分野で高精度な時刻同期を実現する基盤技術として広く利用されています。一方で、マルチパスや電離層の影響を受けるほか、近年はジャミングやスプーフィングといった脅威への対策が重要な課題となっています。 本講演では、GNSS時刻同期の原理と脆弱性を整理するとともに、GNSS受信機を中心とした時刻同期システムのレジリエンス向上について議論します。特に、PTP、LEO-PNTおよびOCXOなどの代替・補完手段を活用したマルチソース時刻同期アーキテクチャを紹介し、GNSS受信機とOCXOを組み合わせたGNSS DO(GNSS Disciplined Oscillator)に求められる機能・性能について考察します。 また、毎年ノルウェーで開催されるJammertestでの評価結果を紹介し、妨害環境下におけるGNSS受信機の挙動と、提案するマルチソースアーキテクチャの有効性を示します。
本講演では、2025年に電波産業会(ARIB)で策定された放送方式ISDB-T3の技術仕様、特に時間に関する機能を解説する。加えて、ATSC3.0への移行が進む諸外国における技術動向を紹介する。
(参考訳)
現代のAIインフラでは、数千ものGPU、CPU、NIC、スイッチ、ストレージデバイス、センサーが連携して動作しています。しかし、それぞれのデバイスは、誤差を含む独自の時刻情報に基づいて動作しています。異なるマシンで観測されたイベントを比較する際には、クロックの時刻差や不確かさが、診断対象となるレイテンシと同程度、あるいはそれ以上になる可能性があり、これは根本的な問題となります。
本講演では、高精度な時刻がAIシステムにおける重要なインフラ機能となりつつある理由について解説します。短期的なユースケースとしては、複数ホスト間にまたがるトレースの時刻整合、片方向およびホップ単位のレイテンシ計測、さらに、原因究明を迅速化するためのコンピューティングイベントとネットワークイベントの相関分析などが挙げられます。今後期待されるユースケースには、時刻情報を考慮したトラフィックペーシングや、大規模AIクラスターにおける協調動作があります。また、フィジカルAIシステムでは、カメラ、LiDAR、その他のセンサー間で、データ取得時刻を正確に整合させる必要があります。
重要なのは、単に高精度なタイムスタンプを提供することではありません。その誤差範囲を信頼できる形で示すとともに、クロックの健全性や時刻情報の来歴に関する情報を提供することが不可欠です。
本講演では、Open Compute ProjectのTime Appliances Project(OCP-TAP)と、Time Card、Open Time Server、Data Center PTP Profile、Precise Time API、時刻検証ツールなどで構成されるオープンなエコシステムを紹介します。これらの技術は、将来のAIインフラに向けて、オープンで可観測性とレジリエンスを備えたクロックプレーンを実現するための道筋を示すものです。
Focus Areas
時刻同期・PNTを軸に、デジタル社会を構成する幅広い分野の実務者、研究者、政策関係者による議論を目指します。
Organization & Partners
TimeSyncJapan 2026実行委員会
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
KROW株式会社
セイコーソリューションズ株式会社 鈴木 康平
セイコーソリューションズ株式会社 弘永 紗也香
古野電気株式会社 木村 耀平
株式会社アット東京 福田 公美子
株式会社アット東京 鈴木 理那
株式会社インターネットイニシアティブ 山本 文治
国立研究開発法人情報通信研究機構 井戸 哲也